さよなら僕の最後の恩寵

「俺は、餌をとれなくて死んでしまっても、自由な方がいいです」
「どうなっても、死んでは駄目だ」

英国の寄宿学校。地理教師のアルフレッドは、転入生レマヤンの指導を押しつけられる。
17歳のレマヤンは、英国のさる大富豪の私生児で、ケニアに生まれ育っていたが、兄たちが後を継げなくなったことから、英国に連れてこられたのだ。彼は英国に馴染めないどころか、馬泥棒の嫌疑もかけられ、問題児として扱われていた。
自分に寄り添い、誠実に耳を傾けるアルフレッドと一緒に厩舎で過ごすうち、励まされ、英国にも馴染んでいくレマヤンだが、ある日、早逝した兄とアルフレッドの写真を見つける。そこには隠された過去があった。
それを知ったレマヤンは教師への想いを自覚し始めるが、アルフレッドはいつまでも教師だった。
しかしアルフレッドがレマヤンの告白を断った翌日、ふたりの関係が変わってしまう大事件が起こり━━

自由、喪失、淡い恋、嫉妬、愛。
痛みに満ちた世界で少年は青年になり、大人は世界に立ち向かっていく力を手に入れる。寄宿舎ボーイズロマンス。

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